イーグルスの傑作 『呪われた夜』 ジョー・ウォルシュ加入の序章

 『ホテルカリフォルニア』はイーグルスの最高傑作だというのが世間一般の評価だが、果たしてそうだろうか?
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もちろん、タイトル曲はポピュラーミュージック史上まれにみる名曲であるのは確かだ。しかし、アルバム全体としてみるとずいぶんとっちらかったイビツなアルバムだったと思う。少なくとも『呪われた夜』に比べれば・・・。
 『呪われた夜』の時にはまだ、初期のリーダー的存在であったバーニー・レドンが在籍していたし、「ハリウッドワルツ」や「偽りの瞳」「アフタースリルイズゴーン」など初期のカントリー色を残した楽曲が結構あった。
 表題曲の「呪われた夜」はイントロ、歌メロ、ギターソロともに完璧なほどキャッチーで洗練されたサウンドに仕上がっている。ドン・フェルダーの貢献度もかなり高い。ファンキーな曲調は「テイクイットイーズィー」をやっていた同じバンドとは思えない位だ。
 2曲目の「トゥーメニーハンズ」はファーストアルバムに納められていた「ウィッチーウーマン」を彷彿とさせるネイティブアメリカン的なリズムが印象的なナンバー。ここでは終盤にドン・フェルダー、グレン・フライ、バーニー・レドンのギターバトルが聴ける。そして、特にグレン・フライの荒っぽいソロが後のジョー・ウォルシュ加入を示唆しているような気がする。もちろんこのアルバムが発表された時点では、バーニーの脱退はまだわからなかったし、まして後釜が誰かなんてファンは知るよしもなかったんだけど。そして、「ハリウッドワルツ」を挟んで、このアルバムの中でもっとも問題となる作品が次に続く。
 「魔術師の旅」と題されたその作品は、バーニー・レドンの独壇場である。6:39もあるインストルメンタルで、バーニーはアコギ、バンジョー、エレクトリックギター、ペダルスティールなど主要楽器をすべて担当。
 元々カントリー系の各種楽器の名手であったバーニーは、これまでも様々な曲でその手腕を振るってきたが、ここまである意味プログレ的な展開のある長い曲を手がけたのはこれが最初で最後。 
 そして、この曲はなにやらサマーオブラブの頃のインド志向とか東洋思想を想起させる。シタールこそ使われてはいないが、バーニーは普通陽気な音色を奏でるのに適したバンジョーで、実にもの悲しい旋律を聴かせている。さらにストリングスも被さり、題名通りのミステリアスな雰囲気を漂わせた前半から、後半はインド音楽風の展開ヘ変化していく組曲的な構成。華やかな花火が打ち上げられる祭典をイメージさせるエンディングから次の軽やかな「偽りの瞳」へ繋がっていく。
 「テイクイットトゥザリミット」は作者のランディ・マイズナーの素晴らしいハイトーンのボーカルや、メンバー全員の見事なコーラスをいかしたワルツ形式のナンバー。タイトル曲、「偽りの瞳」、とともにシングルカットされヒットした。
 アルバムの最後に収録されたのは、バーニー自作の「アイウィッシュユーピース」。それまでの彼らしい作風ではなく、エレピやストリングスをバックに優しく歌い上げるスタンダードナンバー的な曲。これが実に感動的で涙無しでは聴けないのだ。このアルバムを最後に脱退するバーニーからバンドのメンバー全員に対する別れの曲だったということが、今ならよくわかる。そして次作には、ジョー・ウォルシュが参加することとなる。









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