愛しのリンダ リンダ・ロンシュタット

 ウエストコーストの歌姫はたくさんいるが、今回はおそらく一番よく聴いたであろうリンダ・ロンシュタットを取り上げたいと思う。初期の頃のライブのバッキングメンバーを母体として結成されたのが、かの有名なイーグルスだ。

 キャピトルレコードに所属していた頃、彼女自身ストーンポニーズというカントリー色の濃いバンドに在籍していたが、案の定そこそこの評価しか得られず、本格的に売れ始めたのは、アサイラムに移籍し、プロデューサーにイギリス人のピーター・アッシャー(元ピーター&ゴードン・・・ポール・マッカートニー作の『愛なき世界』が第ヒット、ポールの当時つきあっていたジェーン・アッシャーの兄)が就いた頃からである。
 リンダという人は、自分自身はあまり曲を書くことがなかったが、カバーのセンスが非常によく、ヒットした曲の大半がカバー曲という珍しい歌手だ。(シンガーソングライター全盛の時代では) それだけだと単に作曲能力がないというマイナス要因になりがちだが、あまり露骨に大ヒットした曲をカバーしないところがファン心理をくすぐる所なのだろう。もっともカバー曲を選んでいるのはピーター(プロデューサー)の方だという説も・・・。
 彼女を後押しするミュージシャンもそうそうたる顔ぶれが揃っていた。多くの楽曲作品を提供しているJ.Dサウザー、カーラ・ボノフ,アンドリュー・ゴールド、ストーン・ポニーズからのつきあいの、ケニー・エドワーズ、ワディ・ワクテル、ダン・ダグモア、ラス・カンケル・・・。あの頃のウエストコーストを代表するミュージシャンがほとんど関わっているといっても過言ではないくらい。
 今日紹介するのは1976年発表の『ヘイスティン ダウン ザ ウインド』(風にさらわれた恋)。1曲目「ルーズ・アゲイン」(また、ひとりぼっち)。世に失恋ソングはたくさんあるが、これほどストレートに心に響く歌はなかなかないと思う。この曲一発でノックアウト間違い無し。
 まぁそれだけリンダの歌唱力が素晴らしいということだろうが・・・。卓越した歌唱力はシンガーソングライターにはあまり求められない。だからリンダの場合、キャロル・キングやカーリー・サイモン、ジョニ・ミッチェルとは最初から立ち位置が違っていたのだろうと思う。バラードに込める情念やジャンプナンバーの力強いシャウト。こんな歌手なかなかいない。特に白人では・・・ ライ・クーダーやカーラ・ボノフの作品に続いて、バディ・ホリーの「ザットルビーザデイ」がご機嫌なバックのサウンドとコーラスに乗って炸裂。リンダは別のアルバムでバディのもう一つヒット曲「イッツソーイーズィー」もカバーしている。かと思うと、次はスペイン語で歌われるマリアッチ風バラード(この曲は珍しくオリジナル)、リンダのルーツ的な曲。後に出るスペイン語だけのアルバムを彷彿とさせる。タイトル曲はこれまた、アサイラムの重要人物ウォーレン・ジヴォンの作品。【サスライ】傑作です。
 映画『ハーダーゼイカム』の中でメロディアンズが歌い、ボニーMでもヒットした「リバース゛オブバビロン」、後のネルソン・リドルと組んだスタンダード集を予感させる「クレイジー」等々・・・とにかく全曲リンダの魅力が余すことなく詰まった名作です。リンダ最高!!!






風にさらわれた恋
ワーナーミュージック・ジャパン
2011-02-23
リンダ・ロンシュタット

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 風にさらわれた恋 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


画像

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック