80年代洋楽再考 プロローグ・・・

 80年代の洋楽の一番の特徴はポップということだろうと思う。60~70年代の音楽も、もちろん かなりポップな物はたくさんあるが、80年代の音楽との圧倒的な違いはなにかというと、普遍性と深さということになる。『ポップ』な事と、普遍性・深さはまったく相反する物のように思われるが、60~70年代の音楽ではロックやソウルにはそれなりに社会に対するアンチテーゼやメッセージが込められていたし、ポップスには飽きの来ないメロディーやリズムがふんだんに使われていた。80年代の音楽には残念ながら、それまでのポピュラーミュージックやブラックミュージックに感じられるような深さはあまりない。つまり軽いわけである。もちろんポピュラーミュージックは多かれ少なかれ軽さがあるものだが、音楽が世界を変えられるのではと考えられていた60~70年代から(サマーオブラブの時代からパンクの終焉)、難しい事は考えず楽しめばいいじゃんという風に、世界中が享楽的に変化した結果出てきたのが80年代の音楽 とも言えるだろう。 では、80年代のポップさを特徴づけているものとは具体的には何かというと、デジタル楽器の多用とMTVや映画とのタイアップ。現在では当たり前のようになっているメディアミックス戦略。とにかく売れる音楽、売れるアーティスト優先の音楽シーンで生き残るには、ラジオやビデオクリップがテレビでオンエアされる回数こそが大事になってくる。(逆に音楽産業がかなり元気だったとも言える。)
したがって、60~70年代の音楽のように普遍的なスタンダードには成りにくく、むしろそれらの音楽よりもかえって80年代の音楽の方が懐かしく感じるという事が起きてくる。当時最先端のデジタル楽器やコンピューターの打ち込みを多用した結果、今聞くとかえって古くさく感じられるのはそのせいである。それは時に音楽的にバブリィでトゥーマッチに感じられる。もちろん歌詞の内容も良い意味で分かり易いがその分軽い。
かなり否定的なことばかり書いてきたが、80年代の音楽も決して悪い所ばかりではない。なによりもポップでダンサブル、すぐ誰でも口ずさめる親しみ易さ、楽曲がコンパクトによくアレンジされている物が多い事。この点では決して60~70年代の音楽に負けてはいない。ただ、メロディーやリズムが、かつてのポピュラーミュージックやブラックミュージックの焼き直し的な感じは否めないので、それ以前の洋楽に詳しい音楽ファンにはちょっと『軽く』感じられるのだ。しかも、デジタルビートの多いアレンジは今聞くと暑苦しくやりすぎの感が強い。
スタンダードに成りにくいというのは、楽曲単位よりも、現在も生き残っているアーティストが少ない(一発屋が多い)ということも関係があると思う。
アメリカでは、80's Musicはださい音楽の象徴になっているらしい。しかし、イントロやサビをつい口ずさんでしまうというのは、たしかに完成度が高い良い曲が多い証拠なのだろう。ただ、その完成度ゆえ、あきられやすいということも確かだ。
しかし、マイケルやプリンスのように今でも十分通じる音楽もたくさん有るし、実力のあるアーティストは現在も生き残って優れた音楽を提供している。そして何より日本人が老若男女に関わらず 幅広く洋楽を聴いていた最後の時代が80年代だったのである。普段洋楽を聴かない歌謡曲ファン層も巻き込んだはず・・・。(2000年代以降は洋楽を日常的に聴く人が少なくなった。)
あのころは『ベストヒットUSA』を毎週楽しみにしていた人多かったけどなぁ・・・。
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僕たちの洋楽ヒット Vol.13 1981~82
EMIミュージック・ジャパン
オムニバス

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懐かしいです!曲のリ ...

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