リンダがニューウェイブに呼応したアルバム【マッド・ラブ(激愛)/リンダ・ロンシュタット】

 80年リリース。アサイラム・レーベルからの5作目。時代の空気を若干でも反映したサウンドになっている。パンク以降の流行を横目で見て、また従来の自分の音楽に少し行き詰まりを感じていたのか・・・。ピーター・アッシャーとの話し合いでたぶん、従来の路線に若干の方向転換を加えたのが、このアルバムなのではないかと思う。

元々エルビス・コステロの楽曲を取り上げるなど、そうした路線に興味を持っていたのは確かだろう。そして、このアルバムでニューウェイブ的な味付けにもっとも貢献したのはマーク・ゴールデンバーグというギタリスト・ソングライター。自らもクリトーンズというニューウェイブ志向のバンドでデビューしている。

1曲目はそのゴールデンバーグの作品『マッド・ラブ』。特別ニューウェイブ的な作品ではないが60年代のポップスをより現代的に解釈したような曲調は、ニューウェイブとオールディーズの共通性。シンフ゜ルなメロディ、ビートの強調・・・を追求するとかなりダブる部分があることを証明している。
2曲目はその当時ニューウェイブの走りであったエルビス・コステロの『パーティー・ガール』。
3曲目はビリー・スタインバーグという人の作った『ハウ・ドゥ・アイ・メイク・ユー』。この曲にはそうした60年代ポップスとニューウェイブの共通性が顕著に現れている。懐かしいけど新鮮な感覚。
続く『アイ・キャン・レット・ゴー』も60年代ビート・グループやバーズの12弦ギター・サウンドが融合されたナンバーで、リンダは見事に歌いこなす。原曲はホリーズだから、当然か?
『ハート・ソー・バッド』・・・これまでもアルバムに一曲はセンチメンタルな泣きのバラードを取り上げてきたリンダだが、この曲も原曲の持つ切なさを十分に表現する歌を聴かせてくれる。これは従来のファンも十分に満足させる出来。このアルバムでは基本的にダン・ダグモアとマーク・ゴールデンバーグがギターを担当しているが、この曲ではダン・ダグモアとダニー・コーチマーが担当。そういえばこの頃コーチマーもニューウェイブ色の強いソロアルバムを発表している。
『ルック・アウト・フォー・マイ・ラブ』・・・ニール・ヤングの作品。ニールの曲は女性シンガーが歌うと実にメランコリックになるのが不思議。
『コスト・オブ・ラブ』『ジャスティン』再びマーク・ゴールデンバーグの作品。ゴールデンバーグの作品はニュヘーウェイブ的とはいっても、甘いメロディを持ったノスタルジックなものが多いので、取り上げやすかったのかも・・・。そういう点ではコステロと共通しているのだろう。
ラスト2曲はいずれもコステロの作品『ガールズ・トーク』『トーキング・イン・ザ・ダーク』。

コステロのナンバーとしては結構有名な曲ばかりだが、リンダ(ピーター・アッシャー)が選んだ曲がいずれもパブ・ロック的な曲だというのは偶然ではないと思う。
 シンプルでポップ、覚えやすい口ずさめるメロディということで、コステロやデイヴ・エドモンズ、ニック・ロウなどが注目されている時期だったので、60年代・70年代のベテラン達にも割と入りやすかったのがパブ・ロックサウンドではなかったかなと・・・。なによりも、楽器のインプロビゼーションよりも歌のメロディを大切にしているところが、60年代のポップスとの共通点だと思う。ジャケットのモノクロの写真もニューウェイブを意識したものになっている。











Mad Love
Elektra / Wea
1987-07-07
Linda Ronstadt

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この記事へのコメント

2011年09月19日 19:03
お邪魔します。
一日遅れのコメントになります。
最初、このアルバムを聴いた時には、
多少、戸惑いもありましたが。
聴き込んでいくうちに、何となく
彼女の意図が理解できるような気がしました。
でも、イーグルスやカーラ・ボノフ。
そして、マーク・ゴールデンバーグと
才能のあるニュー・カマーを直ぐに
起用するリンダの懐の深さには
感心します。プロと言うのは、
彼女の様な人の事を指すんですね。

それにしても、クリトーンズのCD化の
ニュースは届きませんね。
アナログ盤を聴く環境がないので。
待ちどうしくて仕方がありません。
2011年09月20日 16:20
リンダのバッキングを担当したワディ・ワクテル、ドン・グロルニックなどを中心とした〔RONIN〕なんていうのもありましたね。

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