ストーンズネタ解禁!!【スティール・ホイールズの謎が解けたァ!!】

 「ようやく少しわかったスティール・ホイールズの良さ」・・・ミックとキースの確執が産んだ必然的な作品。

 新年そうそうからずっとストーンズねたは封印していたのだが、そろそろまた書いてみようと思う。というのは、別に封印していた理由は「ストーンズを聴かずにどのくらい我慢できるか・・・」つうのを試してみただけ・・・大した意味のないことをやっていたんだけど、やっぱり血が欲する訳よ。2週間がまんできなかったな。

昨日の夜寝るときにi-podで何を聴こうかなと思って選んだのが【スティール・ホィールズ】。
ストーンズのアルバムの中で普段あまり聴かないアルバムワースト3に入るアルバム。※あと二枚は【ブリッジス・トゥ・バビロン】と【フラッシュ・ポイント】。

89年リリースのこのアルバム、発売当初は本当によく聴いた。しかし、その後あまり聴かなくなった。それはなぜか?
まずサウンドに違和感を感じたこと。魅力的な曲があまりなかったこと。俺が気に入っていたのは『サッド・サッド・サッド』『ミックスド・エモーション』『ロック・アンド・ハード・プレイス』くらい・・・あと次点で『ホールド・オン・トゥ・ユア・ハット』『ハーツ・フォー・セール』。※結構あるジャン!!

なんか、まずチャーリーのドラムの叩き方が、ジャスト過ぎるってのがまず引っかかった。それとドラムの音の採り方。日本公演の映像見たときも感じたんだけどコンピューターの同期に合わせて叩いていたような・・・。いい意味での若干ずれたタイム感が俺は好きだったのだ。音色もなんか軽かったし・・・。ドスンとこない!!

あと楽曲がブルージーでない曲が多いこと。確かに89年というのは多くのベテラン・ロッカー達が90年代を生き抜くために試行錯誤していた時期。いくらストーンズでもいつまでも70年代と同じ方法論ではやっていけなかったのはわかる。しかし、ここまでキャッチーでポップに・・・。まさかストーンズが??

渋谷陽一はこの頃のストーンズを「拡大再生産」と呼んでいたけど・・・。しかし、それにしてもこのサウンドはそのひとつ前のアルバム【ダーティ・ワーク】86年や【アンダー・カバー】83年とも全く違う。90年を目前としたこのアルバムは正に突然変異的なアルバムだとずっと思っていた。

しかし、昨夜寝床の中で『サッド・サッド・サッド』を聴いた瞬間、それまで聞き逃していた楽器のフレーズとか音色、サウンドメイクがくっきりと頭の中に入ってきて、さらに『ミックスド・エモーション』に移る頃には、このサウンドは決して突然変異などではないことに気づいた。耳が開いたって感じ。※ビールも最初に飲んだときは全然旨いと思えなかったのが、ある日突然旨いと感じられるようになったりする。喉が開いたなんて言うでしょ!!あまり上手い喩えじゃなかったな(汗!!)
その瞬間すべての謎が解けた。「そうかヒントはミックとキースそれぞれのソロワークの中にあったんだな」と。
※2010年の11月19日の「トーク・イズ・チープ」の記事のコメントにLA MOSCAさんの鋭い指摘あり!!
【アンダー・カバー】、ミックのソロ【シー・イズ・ザ・ボス】が83年。【ダーティ・ワーク】86年、【プリミティヴ・クール】が87年。キースの【トーク・イズ・チープ】が88年。そして【スティール・ホイールズ】が89年。

【アンダー・カバー】にはまだいい意味で70年代的なストーンズらしさが残っていた。タイトル・ソングはぶっ飛んでいたけど、ブルージーさはまだあった。
【ダーティ・ワーク】もかなり風変わりなサウンドだったけど、あれはミックがほとんど関わらなかったアルバムだし・・・。
しかし、ミックの新しもの好きは自らのソロアルバムを作るに当たってストーンズとは全く違ったサウンドを志向する。【シー・イズ・ザ・ボス】は正直ぴんとこなかったし、もちろんぐっとこなかった。【プリミティブ・クール】はそれでもまだ、少しストーンズっぽい面もあってましだったけど・・・そして、ミックの行動にいらついていたキースも満を持して自らのソロワークを始める。【トーク・イズ・チープ】はストーンズっぽい面もあったが、これまた一風変わった作りのアルバムだった。※主にドラム・サウンド。
 さて、ここで引っかかってくるのはミックの場合ディヴ・スチュワートやドン・ウォズ、ナイル・ロジャースといったブレインとの関係。キースの場合はスティーヴ・ジョーダンとのコラボ。
 人選の違いはあれど、いずれもキーワードはニューヨーク。そうニューヨークの最先端のサウンドをいずれも志向していたところが共通点。

 ストーンズを離れたソロワーク、いい意味で時代の最先端のサウンドを志向したことで、奇しくもミックとキースは真っ向から同じ土俵で対決することになった。

そして、その後両者は和解してストーンズのニューアルバムを作るためにバルバドスで再会。曲作り、サウンド作りの段階でそれぞれのソロワークで吸収してきたものを出し合って出来たのが【スティール・ホイールズ】という訳だ。
改めて今回印象的だったのは・・・
具体的にいうと『サッド・サッド・サッド』のイントロの入り方、これはキース得意のパターンだけど、チャーリーのドラムはあくまでジャストのリズムで「ドン・タン・ドン・タン」。サビの「サッド・サッド・サッド♪」のあとのBメロはキースじゃなくてミックの得意なパターン。
ミックスド・エモーション』のサビの「ユー・ナット・ザ・オンリー・ワン、ウィズ・ミックスド・エモーション、ユー・ナット・ザ・オンリー・シップ、アドリフト・オン・ズィス・オーシャン♪」のメロディも70年代なら絶対出てこないようなメロウなソウルナンバーを思わせるもの。これは当時ワイノーズの中でサラ・ダッシュとかから吸収したものか?あるいは、キースがよく聴いていたアル・グリーンとかの影響か?ギター・ソロのサウンドもそれまでになくハード・ロックに近い音色。
『テリファイリング』の一聴してすぐわかる打ち込みのリズム。いかにもミックの好みそうなブラック・ミュージックの要素が強いナンバー。
『ホールド・オン・トゥ・ユア・ハット』のロニー?の弾きまくるギターの音色もガンズかっ? と一瞬思うくらい分厚くハードロッキン。そしてまたまたドラムにイフェクターかけてるよね。
『ハーツ・フォー・セール』ここに来てようやくほんの少しブルージーな感じ。しかし、軽いのだ。
『ブラインデッド・バイ・ラブ』・・・ミック得意のカントリー風味のナンバー。トロピカルなメキシカン・ポップの趣も・・・。
特筆すべきは『ロック・アンド・ハードプレイス』これこそこの当時ストーンズが新しくものにした全く新しいストーンズ・サウンド。だってこれが60年代からやってきたバンドの音に聞こえるかい???ハイパー・ストーンズ。

そしてこれもストーンズらしくないニューウェイブ的なイントロで始まる『キャント・ビーン・シーン』。今回改めて聴いてみてこれもなかなかいい曲だと見直した。

てことで、全般を通して聴いてみて、90年当初はマット・クリフォードなどという機械オタクを入れたから、こんなサウンドになっちまったのだと思っていたのが、実はミックとキースが望んだ結果であったということがよくわかった。89年といえばバンドを始めてから軽く25年もたっている。90年を前にしてサウンドを劇的に変える必要があったのだと思う。
そしてそれを具現化するのにマット・クリフォードが必要だったのだろう。
因みに『コンチネンタル・ドリフト』はブライアンへの追悼曲だと思うが、なぜ、このタイミングだったのかはよくわからないままだ。
『スリッピン・アウェイ』・・・いい曲だけど、キースならもっといいバラード書けるような気も???

ていうことで、このアルバムまでの数年ミックとキースの確執もあり、ソロワークも大成功とはいえなかったが、全く無駄だったのではなく、ミックはニューヨークの最先端のサウンドを・・・、キースはエクスペンシブ・ワイノーズとの交流から、メロウなソウルとタフでファンキーななリズムを吸収し・・・。結果的に新しいストーンズのアルバム作りの要素にどちらもなったというのが、このアルバムの突然変異的なサウンドだったのだなとようやくわかった。
それまでのどのアルバムとも違うハイパー・ストーンズとしてのアルバムの誕生!!
 ようやくなぜこのアルバムがこんなサウンドに至ったのかが昨日わかった。ほんと、ここにたどり着くまで30年かかったよ。※ポカリスウェットのCMもかっこよかったよな・・・。思い出した。
 大のお気に入りになったというわけではないけど、少なくともこのアルバムに対する謎は解けたな。
それにしても新作はいつになるのか? もう劇的にサウンドを変化させる必要はないから、納得のいくアルバムだして欲しいな。ブルージーでダーティなヤツ!!







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この記事へのコメント

megumick
2012年01月12日 22:51
ロックさん、こんばんは!
確かにこのアルバム積極的には聴いてないです。
1990'のツアーのために聴いてた感じかも…
それ以前に妊娠中だったんだ(笑)
それ以降子育てで忙しくってストーンズ聴けない時代だったのもあるなぁ~
へ~、そうなんですね。
明日改めて聴いてみなくっちゃ
LA MOSCA
2012年01月12日 23:27
またまた名前出していただいて感謝です。
鋭い指摘とは思えませんが(笑)
でも「ミックスト・エモーションズ」は2人のソロ活動の影響が理想的にミックスされた曲だなと思います。

このアルバムについての俺の記事はこちらに。
http://lamosca.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-7b9d.html

他には「オール・モスト・ヒア・ユー・サイ」も好きかな。
「ビースト・オブ・バーデン」の大人版みたいなカンジがして。
2012年01月12日 23:33
>megmickさん、そうそう90年の初来日にあわせてストーンズ熱がものすごく盛り上がった時期なんですよね。で、最新型のストーンズはキャッチーで宣伝しやすかったていうのもあったかも・・・。でも、結果日本での猫も杓子もっていうブームはそれでおわりましたね。残念!
2012年01月12日 23:36
>LA MOSVAさん、いえいえ謙遜されなくても・・・。MOSCAさんの記事の中にはときどき、そうそうそれだっ!!って膝をたたきたくなることが多いのですよ。そこら辺のロック評論家よりも説得力ありますよ!!

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