ポールの本格的復活のきっかけ【フラワーズ・イン・ザ・ダート】ポール・マッカートニー

 89年リリースの【フラワーズ・イン・ザ・ダート】。86年の【プレス・トゥ・プレイ】から3年を経て、ようやくウィングス時代に匹敵するような作品を作ってくれたという感じ。エルビス・コステロがポールと数曲共作し、演奏にも加わったことが話題となった。

コステロという希代のメロディ・メーカーを迎えたことがポールのやる気を刺激したのだと思う。
 しかし、前作にあたる【プレス・トゥ・プレイ】はひどかった。せっかくポール門下生とも言えるエリック・スチュワート(10cc)をパートナーに迎えたものの、楽曲がクズみたいなものばかり・・・。あんまりひどいのですぐ中古屋に売っちゃったよ。ポールのアルバムで、あとにも先にもこんなの他にはなかった。※もっとも俺も中古屋で入手したんだけど・・・。エリック・スチュワートとポールの共演には期待したんだけどな。

コステロ曰く「ポールにはクズなものはクズだって言ってあげる存在が必要・・・。」。なるほどイエスマンばかりでは駄目だということだ。コステロとはアルバムに先駆けて「バック・オン・マイ・フィート」がシングルのB面として披露され、全部で11曲くらい作ったそうだが、そのうちこのアルバムには4曲収録。コステロの方は【スパイク】の中で『ヴェロニカ』と『パッズ・パウズ・アンド・クラウズ』を披露・・・。
他にもポールは【オフ・ザ・グラウンド】の中であと2曲を発表。

 アルバムははつらつとしたコーラスで始まる。
『マイ・ブレイヴ・フェイス』ポールのコンテンポラリーなポップ感覚とコステロの斬新なメロディが実に上手く融合された最高のナンバー。
『ラフ・ライド』憂いを秘めたメロディ、リズムアレンジもなかなかの出来。これは共作ではないが、コステロ効果か?
『ユー・ワント・ハー・トゥ』・・・コステロとのデュエットが美しいワルツ。
『ディストラクション』・・・これもポールの王道のメロディが美しい名曲。
『ウィー・ガット・マリッド』・・・ウィングス初期や【ラム】を彷彿とさせるナンバー。
『プット・イト・ゼア』これもなかなかにポールしている曲。いいな。
『フィギィア・オブ・エイト』これはもろウィングスでしょ。
『ズィス・ワン』・・・本当になぜ、前作ではこういういい曲書けなかったんだろうか?このメランコリックなメロディ。ポールの真骨頂!!
『ドント・ビー・ケアレス・ラブ』・・・ドゥーワツプ調のコーラスから始まるバラード。コステロ色が濃い曲。
『ザット・デイ・イズ・ダン』・・・アイリッシュな雰囲気もある小品。
『ハウ・メニー・ピープル』・・・レゲエ・アレンジの佳曲。リラックスした歌もいいね。
『モーター・オブ・ラブ』・・・深いエコーのかかったサウンドとポールの歌。サウンドは明らかに80年代らしいけど、曲の深さは全盛期に劣らない。
『太陽はどこへ』若干ニューウェイヴを意識した曲調・・・これはたいしたことない。
ということで、前作の失敗を十分に挽回したアルバムであったと思う。

 もう一つ、このアルバムが持つ大きな意味は、このアルバムをきっかけとしてウィングス以来のパーマネント・バンドを組むことが出来たことだ。

リンダ、ヘイミッシュ・スチュワート(ギター、ベース、ボーカル)、ロビン・マッキントッシュ(ギター)、クリス・ウィッテン(ドラムス)・・・ツアー後期にはブレア・カニンガムに交代するが・・・。
・・・アルバム発表後にリンダのパートをサポートするためかウィックス・ウィッキンス(キーボード)が加わる。
通称ランピー・トラウザーズ・・・このメンバーで89年9月~翌年6月に至る大規模なワールド・ツアーへ。

このバンド・・・ウィングス(デニー・レイン、ジミー・マックロウ、ジョー・イングリッシュ)の全盛期に勝るとも劣らないメンツだったと思う。スキルの高さもそうだが、何となくファミリー的なフィット感がよかった。

ポールがギターやピアノに回ったときにはベースを担当するヘイミッシュ・スチュワートの立ち位置は、ウィングスで言えばデニー・レイン的な感じ。※ビートルズ・ナンバーでコーラスをつけるときはジョンの役割。

また、ウィッキンスは単なるキーボード奏者としてでなく、ランピー・トラウザーズでのバンド・リーダーの役割も担っていた。ボーナストラックとして付いている『パーティ・パーティ』には、このバンドで早くツアーに出たくてしょうがないというポールの気持ちが表れている。※本編では『ズィス・ワン』に特にそれが表れているように思う。












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この記事へのコメント

OASI-Z
2012年07月15日 23:42
お邪魔します。
1曲目の「My Brave Face 」の最初のコーラスが思わず「クイーン?」と思ってしまいますが(笑)、マクマナス(コステロ)の参加による影響か、アッパーで元気一杯のポールが帰ってきた事を印象付けます。

シュガーさんが言うとおり、ポールにはパーマネントなバンドと良き相棒が必要だと、感じさせてくれますね。
2012年07月16日 17:22
最近のバンドもポールの歌を支えるにはかなりいいレベルのバンドだと思いますが、ランピー・トラウザーズもう少し続けていればどうだったかな・・・なんて考えてみたりします。その当時の映像が〔DVD〕で再発されていますね。

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