秀逸なビートルズソング・カバーアルバム【第二次世界大戦オリジナル・サウンドトラック】

先月出かけた盛岡中古レコード&CDフェアでは、なかなかの収穫があったのだが、これもそのひとつ。20世紀フォックス映画【all this & World warⅡ】の二枚組オリジナル・サウンドトラックアルバム。全編さまざまなアーティストによるビートルズ・ソングが納められている。
ビートルズ・ソングのカバーを使った映画のアルバムというとロバート・スティックウッドが画策して作った悪名高き[サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド]があるが、正直ろくなもんじゃなかった。
主演は当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったピーター・フランプトンとビージーズ。ライバルバンドとしてエアロスミス・・・。
まあ、楽曲の完成度として素晴らしかったのはE.W&Fの『ガット・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ』とエアロの『カム・トゥギャザー』位かな?※俺はビートルズのカバーソングにはうるさいのだ。 映画の方は見事にこけた。

一方この[第二次世界大戦]の方は映画の方には全く興味はなかったが、参加しているアーティスト及び選曲になかなかの工夫があり、一度是非聴いてみたかった作品。 アナログディスクでの発売当初に手に入れそびれたままウン十年・・・。ずっと探してはいたのだが、なかなか見つからず今回盛岡でやっと見つけられた。

参加メンバーはエルトン・ジョン、ロッド・スチュワート、ティナ・ターナー、ビージーズ(3曲)、レオ・セイヤー(3曲)、アンブロージア、ブライアン・フェリー、キース・ムーン、デイヴィッド・エセックス、ジェフ・リン、ロイ・ウッド(2曲)、ステイタス・クウォー、ブラザーズ・ジョンソン、ピーター・ガブリエル、ヘレン・レディ、リンジー・ディ・ポール、フランキー・ヴァリ、フォー・シーズンズなど・・・。※メンツ的にも好きな人ばかり・・・。
そして全編にウィル・マローンとロンドン・シンフォニー・オーケストラ。

エルトン・ジョンの『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ』やティナ・ターナーの『カム・トゥギャザー』はすでに以前からヒットしていたものだが、それ以外は全くこのアルバムのために新たに録音されたものらしい。

アンブロージアの『マジカル・ミステリー・ツアー』で幕開け・・・これがなかなかの出来。ハードロック的な味付けが絶妙だし、アンブロージアはコーラスもいかしてる。
エルトンの『ルーシー・イン・ザ・スカイ・・・』はもう断トツに素晴らしい出来。なぜかレオ・セイヤーとともに3曲も任されて大盤振る舞いのビージーズ、『ゴールデン・スランバー/キャリー・ザット・ウエイト』『シー・ケイム・スルー・ザ・バスルーム・ウィンドウ』『サン・キング』を披露。『ゴールデン・・・』と『サン・キング』ではさすがに素晴らしいコーラスを聴かせてくれていていいのだが、『シー・ケイム・・・』はビージーズのキャラに合っていない感じ。

同じく最多曲担当のレオ・セイヤーは『アイ・アム・ザ・ウォルラス』『レット・イト・ビー』『ロング・アンド・ワインディング・ロード』の3曲。いずれもソウルフルな仕上がりでよい。『レット・イト・ビー』は彼のベスト・アルバムで聴くことが出来る。
『シーズ・リヴィング・ホーム』を選んだブライアン・フェリー。しっとりと落ち着いた歌唱を聴かせてぴったりフィットした感じ。
ジェフ・リンとロイ・ウッドのザ・ムーブ~E.L.O組は、さすがにビートルズ直系のアーティストらしく無難にカバー。
『ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド』をジェフ・リンが、『ラブリー・リタ』『ポリシー・パン』という渋い選曲をロイ・ウッドがしているのがいかにもいかにも・・・といった感じ。

一際ご機嫌なのはロッド・スチュワートの『ゲット・バック』。オリジナルよりずっとR&B感覚の強いロケンロールにアレンジ。しかし、これにはモトネタがある。このアルバムにも取り上げられているティナ・ターナーがアイク&ティナ時代にこれとほとんど同じアレンジですでに『ゲット・バック』をやっている。つまり、ロッドはティナのヴァージョンをまねしたわけである。まあ、トリビュートというかリスペクトが感じられる。
『恋を抱きしめよう』・・・フォーシーズンズ、『フール・オン・ザ・ヒル』・・・ヘレン・レディ・・・まあ可もなく不可もなく。
『マックスウェルズ・シルヴァー・ハンマー』・・・フランキー・レイン・・・これはヴォードヴィル調の曲なのでずばりはまった。素晴らしい。
『ヘイ・ジュード』・・・ブラジョンにビートルズ・ナンバーなんて・・・と意外に思っていたのだが、これがことのほか素晴らしい!! まあ元々ゴスペル色がある曲なので、黒人がやって悪い仕上がりになるわけはないのだ。
しかし、さすがビリー・プレストンのもとで修行しただけはあるよな。

そしてこれも異色のキャスティング・・・ステイタス・クウォー『ゲッティング・ベター』。まあブギー・バンドになる前はポップバンドだったというお里が透けて見える。
『ヘルプ』・・・ヘンリー・グロスという全く俺は知らない人・・・まぁ割とドラマチックに盛り上げる。
それよりも素晴らしいのはピーター・ガブリエルの『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』。これはブラアン・フェリーと同じくらい見事にはまり役。原曲のメランコリックで幻想的な雰囲気を再現。
『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』・・・フランキー・ヴァリ・・・まあソコソコ・・・。
『カム・トゥギャザー』・・・これはディナ以外の何者でもない世界・・・素晴らしすぎる。
ラストは『ユー・ネバー・ギヴ・ミー・ユア・マネー』と『ジ・エンド』をウィル・マローンとロンドン・シンフォニー・オーケストラが演奏。

ということで試しにアマゾンでCDの方をチェックしてみたら三千いくらの値段がついていた。俺のは中古のアナログだけど、まあ安かったし、中身もよかったので満足!!

ビートルズ・ソングのカバーした映画のサントラでこれ以外に素晴らしいと思うのは近年では[アクロース・ザ・ユニヴァース]とか、ショーン・ペン主演の[アイ・アム・サム]などは納得のいくものだと思う。
あとはあまりいいのがないなぁ・・・というか、やっぱりビートルズソングのカバーをするならある程度の水準をクリアしていないと俺は納得出来ないんだよなぁ。たいしたことのないカバーだったら、オリジナル聴いた方がいいし・・・。

追記ハンブルグ時代のビートルズを描いた[バックビート]のサントラはオルタナ系のバンドがビートルズソングをカバー。これも傑作!!














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2007-06-16
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