ボーカリストとの相性②ジミー・ペイジ+ポール・ロジャース=ザ・ファーム

 ジミー・ペイジとポール・ロジャースが手を組んだ時・・・当然俺らロックファンはツェッペリン+バッド・カンパニーというある意味理想的なサウンドを夢に描いた。

 しかし、実際はそうはならなかった。前回取り上げた【アウトライダー】から遡ること三年、1985年。
ツェッペリン解散後サントラ盤【デスウィッシュⅡ】や覆面プロジェクト「ハニー・ドリッパーズ」でお茶を濁していた感のあるジミー・ペイジとバド・カン脱退後ソロアルバムは出したものの、今ひとつぱっとしなかったポール・ロジャースがここにきて新グループを組んだことは、当時のロックファンにとってビッグニュースであったし、本人達も並々ならぬ決意があったはずだ。

 届けられたアルバムは全8曲中3曲がペイジ/ロジャースの共作であるが、1曲カバー、残り4曲はすべてポール・ロジャースの単独作品となった。

 当然ポール・ロジャース主体のプロダクションであったことは容易に想像がつく。事実、ここで聴かれるサウンドはバッド・カンパニー、フリーの延長線上のもの。ジミー・ペイジらしいところはリヴァーヴを深くかけたギター・サウンド位で、俺らが期待したツェッペリン・サウンドの楽曲にロジャースのスキルの高いボーカル・・・というものではなかった。

  これには正直肩すかしを食らった感じ・・・しかし、今改めて聴いてみると、「ザ・ファーム」というバンドの実態は決してジミー・ペイジとポール・ロジャースの力関係が対等ではなかったことがわかる。

 元ツェッペリン、元バッドカンパニーというとついついスーパー・グループをイメージしてしまうが、それはあくまでファン側の過剰な期待だったのだろう。

 あとでインタビューで知ったことだが、最初からポール・ロジャースは「すべて俺に任せてくれ、君はギターを弾いてくれるだけで良いから・・・」みたいなことを言っていたらしい。
俺は別にポール・ロジャースは嫌いではないし、というか大ファンなのだが・・・。こういったいきさつがあって最初から主導権を相手に握らせてしまったことで、ジミー・ペイジの個性はほとんど没してしまっているアルバムになったのだろう。※『トゥギャザー』でほんの少しジミーらしさは出ているものの・・・。

 楽曲的にも『クローサー』や『メイク・オア・ブレイク』『サムワン・トゥ・ラブ』などA面にはそこそこ佳曲があるが、アルバム全体としては決定打がないように思う。※奇をてらったような『レディオ・アクディヴ』も80年代的ではあるものの・・・ちょっとね。

 そもそも俺たちファンがツェッペリン+バド・カンという図式に当てはめるのでハードルが高くなっていたのだな。これをスーパー・グループのアルバムとしてみるのではなく、ポール・ロジャースのソロ・アルバムにジミー・ペイジがゲスト参加した作品として考えれば、それほどの駄作ではないはず・・・と今にして思えるけどね。

 過剰な期待によって、正当な評価が下せなかったちょっとアンラッキーなアルバム。
ジミー・ペイジとポール・ロジャースとの相性は悪くなかったと思うけどね。
なお、彼ら二人以外のメンバーはトニー・フランクリン(ドラムス)とクリス・スレイド(ベース)。
同メンバーでセカンド・アルバム【ミーン・ビジネス】もリリースしたが・・・。

 






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この記事へのコメント

松下政代
2017年06月12日 20:03
いつも興味深く拝見しています。
私もこのアルバムがでた時には「肩透かし」を感じた記憶があります。おっしゃるようにポール・ロジャースが「俺に任せろ」的なことを言っていたのなら、ジミー的なものがあまり感じられないアルバムの出来に納得もします。
でも、こうして30年以上経って改めて聞いてみると、なかなかいい感じで当時を思い出すのに十分なアルバムで「良いな♪」と思ってしまったりします。特にラスト2曲はなかなか佳曲だなと思っています。
2017年06月13日 00:05
松下さん、ありがとうございます。このような場末のブログにようこそいらっしゃいました。また、コメント出来そうな記事がありましたら是非ご意見お願いします!

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