[ロック黄金期1975編]アーサー王と円卓の騎士たち/リック・ウェイクマン

 前作【地底探検】が大ヒットとなり、本作では[アーサー王]の伝説をテーマとした壮大なストーリーを展開。
一言で言うとファンタジック系の大仰なプログレ・・・ということになるのだが、これが当時は非常に受けたのだった。
テーマの選び方、合唱団の重厚なコーラス、クラシックや舞台劇でよく使われるテーマの変奏曲を基にした構成。そしてオーケストラとの共演。
 中世を舞台にした伝説をテーマにした、これでもかという圧倒的な濃い様式美には、時には鼻白む場面もなくはないが、プログレとしてはむしろわかりやすいくらいポップである。こうした傾向はプログレでは珍しく、むしろ後に形をかえてヘヴィ・メタルに受け継がれていく。※ロニー・ジェームズ・ディオ時代のレインボーやデュオなど・・・。

さて、いかにも中世のヒーローの登場にふさわしいファンファーレに導かれて『アーサー』がスタート。このファンファーレに使われたフレーズはその後も何度も変奏曲として使われている。
荘厳な合唱団のアカペラで始まる『レディ・オブ・ザ・レイク』・・・リリカルなピアノの響き・・・程なく『王妃グィネヴィア』に繋がっていく。
 4曲目の『ランスロッド卿と黒騎士』の最初に例のファンファーレと同じフレーズが使われ・・・ゲイリー・ピックフォードとアシュレイ・ホールドのリードボーカル、そして合唱団の重厚なコーラス。リック・ウェイクマンのモーグによるソロ・・・とこの辺の構成は結構スリリング・・・。
『魔術師マーリン』・・・アーサー王の伝説には欠かせない存在魔術師マーリン。これも合唱団のアカペラ+リリカルでクラシカルなピアノ・・・そして何度目かの変奏曲ヘ・・・。
『サー・ガラハド』・・・これも宗教歌を思わせるコーラスとリリカルな・・・アレッこれさっきの『レディ・オブ・ザ・レイク』と同じ・・・と思いきや、全く別のフレーズヘ・・・ここではリード・ボーカルとリック・ウェイクマンのハモンドオルガンが大活躍・・・そして所々に[ファンファーレ]と同じフレーズをちりばめて・・・と。やっぱり、楽譜が書ける人の作品。それもクラシックに造詣が深くなければ・・・。
『最後の戦い』・・・ピアノとモーグ・シンセをフィーチャーしたインスト・・・やはり最初のフレーズを変奏・・・そして哀愁漂うボーカルが入り大団円。
主旨一環したコンセプト。

さて、まるで映画や舞台劇のようなこうしたサウンドを面白いと捉えるか、冗長でつまらないと判断するか・・・。
時代は確実にパンク・ニューウェイヴの時代に近づいていた。

パンク以降の世代にとっては確かに大仰で退屈なだけの作品に聞こえるかもしれないが、俺らのように60年代からずっとロックやポップスを聞き続けているリスナーにとっては、こういう作品も「こんなのロックじゃないジャン」の一言ではかたづけられない。

もちろん、もし、このときにラモーンズやピストルズ、ジャムやダムド、クラッシュを知っていればそっちに飛びついたとは思う。※俺はパンクも大好きだから・・・。

ただ、こうした大仰な作品と、シンプルで乗りの良いロケンロールが共存出来たのも70年代の特徴であったのは確か。だから面白い時代だった。
 俺らくらいの世代はその両方をリアルタイムで体験出来たのがラッキーだったのかもしれない。






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