[80's洋楽グラフィティ1982編]【シカゴ16】シカゴ

誰がシカゴをだめにしたのか?」 

 シングル『素直になれなくて』の大ヒットを産んだことで有名なアルバム。しかし、これシカゴの代表作と言っていいのだろうか? 少なくとも60~70年代のシカゴを知るものとしては認めたくない。
 確かに『素直になれなくて』はよくできたラブソングだと思うし、ヒットしたのもよくわかる。しかし、テリー・キャスがいた頃の精神性のかけらも感じられない。
 プロデュースはデビッド・フォスター・・・やっぱりそこか・・・フォスターはプロデュースのみならず、10曲中7曲(『素直になれなくて/ゲット・アウェイ』はメドレーになっているので実質8曲)の作曲にも加わっており、アレンジ、演奏にまで参加している。
 さらに外部ライターも起用。 もうひとつ悪しき特徴としてピーター・セテラが作曲面でもリード・ボーカルでも前に出すぎという点がある。
確かに70年代にもピーター・セテラが主導でのシングル・ヒット曲が多かったのは確かだ。
 『渚に消えた恋』『朝もやの二人』『愛ある別れ』などロマンチックなバラードはシカゴの魅力の一面ではあった。
しかし、それはロバート・ラムやテリー・キャスがリード・ボーカルをとる曲や、ジェームズ・パンコウ、ダニエル・セラフィンなどが作る作品の中にあってこそよいアクセントになっていたと思うのだ。
 テリー・キャスが死去して以来、ピーターは「自分がバラードを歌いさえすればヒットする」という勘違いをしてしまう。事実、シングル・ヒット曲はほとんどピーターのボーカル曲になっていた。
 必然的にピーターの発言権が強まり、パワー・バラード路線に進むことになる。このアルバムではロバート・ラムはたった1曲にしか作曲に関わっていない。
 【ホット・ストリート】以降低迷を続けていたシカゴは、なんとしてもシングル、アルバム共にヒットさせたかったのだろう。デビッド・フォスターを担ぎ出したのはそのためである。しかし、これが本来のシカゴ・サウンドとは決して思えない。強いていえば「デビッド・トト・カゴ」。
『ホワット・ユー・アー・ミッシング』『ウェイティング・フォー・ユー・トゥディシード』なんてもろにTOTOのサウンド。
『ウェイティング・フォー・ユー・トゥ・ディシード』に至ってはデビッド・フォスター、スティーヴ・ルカサー、デビッド・ペイチの共作である。ほとんどTOTO。ボーカルをボビー・キンボールに変えても十分通用する。

もうひとつ気になること・・・それはビル・チャンプリンの正式参加・・・俺この人きらいなんだよね。鼻にかかったボーカルが特に気に入らない。キーボード、作曲、アレンジ(ライヴではギターも)などで貢献したのはわかるけど・・・。
 ロバート・ラムは何をやっていたのだろう。もう完全にあきらめていたというか・・・だったら独立すればよかったのに・・・ビッグ・ネームの恩恵にしがみつきたかったのか?

ブラス隊もあまり存在感がない。アルバムでは『素直になれなくて』とメドレーで繋がっている『ゲット・アウェイ』
でわずかに初期の頃の様なサウンドを聴かせるが、すぐに終わってしまう。
 結局70年代のシカゴを一番彷彿とさせる曲は『素直になれなくて』ということになってしまった。※だから、ヒットしたのか??
毎度言ってることだが、大ヒットを出すことと、本人達が納得できるような完成度の高いよい音楽を作り出すこととは必ずしもイコールではないし、売れることだけが大切ではない・・・と思うのだ。
 もちろんシングルでもアルバムでも売れた方がよいに決まっている。しかし、売れるためにバンドをプロデューサーや外部からのプレーヤーに乗っ取られるようなアルバムは本当によいアルバムなのだろうか?
この後シカゴはますますピーター・セテラを中心とした「パワー・バラード路線」を推し進めるが、【16】の様なミラクルは起きなかったし、パワー・バラード路線も飽きられていった。
 売れないバンドにいてもしょうがないと、ピーター・セテラはバンドを脱退~ソロ・デビューをはかる。
※もっともおなじみのパワー・バラード路線でいくつかヒットは出たものの、やがてフェイド・アウト・・・当たり前だ。身の程を知らないとそうなる。

看板スターを失ったシカゴ本隊はピーターそっくりに歌えるジェイソン・シェフを新しいベーシストとして迎え活動を続けるが、こちらもミラクルは起こせないままじり貧になっていく。
このアルバムに関しては「素直によいアルバム」とは決して言えない。俺はリアルタイムではスルー。かなりたってからブックオフで250円で手に入れました。「素直になれなくて・・・」ジャンジャン(汗!!)



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この記事へのコメント

実験鼠
2013年05月26日 09:29
初めて聴いたシカゴが「素直になれなくて」でした。この曲は好きでしたが、アルバムの方は・・・う~ん、デヴィッド・フォスターは私にとっても鬼門です。私もシュガーさん同様に250円で購入しましたw
しかし、こうして82年の作品を振り返ると、懐かしさは感じるものの、今あえて聴きかえす価値のあるものが少ない・・・。
2013年05月26日 10:26
>82年の作品を振り返ると懐かしさは感じるものの、今あえて聞き返す価値のあるものが少ない・・・確かにその通りだと思います。当時の最先端だったシンセや打ち込みを多用したサウンドが、かえって古くさく感じる要因のひとつかなと・・・。

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