ベスト・オブ・ベスト[ベスト・アルバム100]100 ボブ・ディラン

 さて、いよいよ[ベスト・オブ・ベスト]も大トリ!! ラストはこの人。
普通のベストアルバムの類を選んでも、この人の場合面白くないので、ブートレッグ・シリーズVol1-3というボックスをチョイス!!
CD三枚組・・・全53曲中45曲は未発表のもの。それがLPサイズのボックスに収納された豪華な作り。
中身の曲に関しては、ディランの正規のリリースされたヴァージョンよりもひょっとして出来がいいんじゃないかというものも多い。
 というのはディランは非常に気まぐれで、プロデューサーがOKを出したテイクであっても、本人が気に入らないとすぐに没にしてしまうことが多いからだ。
 古くは61年のプライベート録音のものから、91年の音源まで、「なんでこんな素晴らしいのを没にしたんだろう?」と頭をかしげるようなものや、アレンジが今ひとつなものまで、正にディランがどんな風にレコーディングに向かってきたのかがわかって、本当に興味深い。
 初期のシンプルな弾き語りのものから、バンド・アレンジでフォーク・ロックに向かう時期、そしてその後の「ボブ・ディラン・ミュージック」としか呼べない音楽を確立していく過程を知るのにも貴重なボックス。
 この後ブートレッグ・シリーズはVol.7くらいまではつきあってきたが、正直この最初に出されたボックスの衝撃を超えるものには出会っていない。
 まずはVol.1から・・・ファーストの没曲『マン・オブ・ザ・ストリート』、セカンドの没曲『キングス・ポート・タウン』なんて実に味わい深い。初期のみずみずしい感性があふれている。
ワルツ形式の『オンリー・ア・ホーボー』なんかも好きだな。
最初期のヴァージョンである『ザ・タイム・ゼイ・リアリー・チェンジズ・イン』もシンプルである必然性が感じられる。
Vol.2・・・『スージー』・・・ディランはギターが下手だという定説を覆すインスト・ナンバー。この見事なスリー・フィンガーに驚愕せよ!!
『サブタレニアン・ホームシック・ブルース』これは元祖ラップというようなとらえ方がされているが、基本的には小節数を無視したブルースだろう。バックのサウンドがない分、ディラン自身のビート感が感じられるテイク。
『イフ・ユー・ガッタ・ゴー・ゴー・ナウ』・・・バッキングがついて、この時期ディランが本当にやりたかったことがはっきりと見えてくる。ストーンズ並にかっこいいぜ!!
『ライク・ア・ローリング・ストーン』・・・なんと最初はワルツだった!! びっくりだな。
『アイ・シャル・ビー・リリースト』・・・心なしかザ・バンドのヴァージョンに近い。俺はこれ好きだな。ずばりバッキングがザ・バンドだからか??リチャード・マニュエルのコーラスも探り探りという感じ。
『サンタフェ』・・・これもいかす。機嫌のいいときのディラン!!
『イフ・ナット・フォー・ユー』・・・ジョージ本人のスライド・ギターがいいね。
『ウォールフラワー』・・・パティ・スミスの印象を歌ったというカントリー・ワルツ。以前紹介したダグ・サームのアルバムに収録・・・。
『タングルド・アップ・イン・ブルー』・・・長いイントロ付きのヴァージョン。ディランのボーカルはかなり抑え気味で、正規リリースのヴァージョンよりもおとなしめだ。
『コール・レター・ブルース』・・・【ブラッド・オン・ザ・トラックス】の没曲。同じ曲調の『ミート・ミー・イン・ザ・モーニング』があったために没になったらしい。仕上がりは悪くない。ディラン流のブルース。
『イデオット・ウィンド』・・・これも【ブラッド・オン・ザ・トラックス】の没テイク。確かにこれは正式テイクの方が上だな。
Vol.3は・・・『イフ・ユー・シー・ハー・セイ・ハロウ』・・・これはオリジナルのテイク。
『セブン・デイズ』・・・クラプトンにプレゼントしたものの、気に入ってもらえず、ロン・ウッドが自分のアルバム【ギミ・サム・ネック】で見事にカバーした。
『イェ・シャルビー・チェンジド』・・・まあまあの佳曲。【スロー・トレイン・カミング】の没曲。
『エブリ・グレイン・オブ・サンド』・・・実に神々しい美しさを持った曲。
『ニード・ア・ウーマン』・・・【ショット・オブ・ラヴ】の没曲・・・後にライ・クーダーが自作のアルバム【スライド・エリア】でカバー。
『アンジェリーナ』・・・これも隠れた名曲。
『サムワンズ・ガット・ア・ホールド・オブ・マイ・ハート』・・・落ち着いた表情を見せるフォーク・ロック。これ凄くいいんだけど改作されて『タイト・コネクション』という曲になったらしい。もったいない!!
『ブラインド・ウィリー・マクテル』・・・このボックス・セットの中で最も素晴らしいと評判の立ったバラード。
『ホウェン・ザ・ナイト・カムズ・フォーリング・フロム・ザ・スカイ』・・・バッキングにEストリート・バンドのマイアミ・スティーヴ・ヴァン・ザントとロイ・ビダンが参加。その所為か、スプリングスティーンのような乗りがあるな。
『シリーズ・オブ・ドリームス』・・・いかにもダニエル・ラノアのプロデュースらしいサウンド。そして完全につぶれてすごみさえ感じさせるディランの声・・・現在のディランに一番近いのがコレ!!
てことで、ディラン程のキャリアをベスト・アルバム数枚で把握するのは無理というものだが、オリジナル・アルバムでディランにはまった人は、このアルバムもきっとものすごく重要な作品であると思う。
 これを聴くことで、またオリジナル・アルバムに対する接し方も変わってくるのではと思っている。

さて、今年6月から始めた「オールタイム・ベスト」の企画もこれですべて終了!! もちろん、今回取り上げられなかった愛聴盤も多数あるし、まだまだ新しく入手して紹介できていない作品もあるので、それらについては、年が明けてからボチボチやっていくつもり・・・。
 誰に頼まれたわけでもなく、自分で勝手に盛り上がった企画だったけど、こうやって振り返ってみると俺が約40年以上聴き続けてきた音楽の傾向なども再確認できて、面白かった。
 またロックの入り口に立ったばかりの人もヘヴィー・リスナーの方にも少しでも「優れた作品」を選ぶ参考にしていただければありがたい。
 

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この記事へのコメント

2014年12月27日 16:57
非常に参考にさせて頂いてますよ~♪ひとまずお疲れ様でした!続きもあるとの事なので楽しみにお待ちしています~
このBOX、自分は一度買ったものの良さがもう一つ掴めずに金欠時に売ってしまった事があります…その後CDをコツコツ集めて行くうちに手放した事を後悔してまた買い直ししたんですが凄いチャチなプラケ仕様になっちゃいました(泣)最初のヤツ、手放したのは痛かったですね…
2014年12月27日 17:42
mangohboyさん、おかげさまで最後までなげださずにテーマを全うすることができました。ありがとうございます。ところでMangohboyさんのブログももうすぐ100曲いきますよね。その後はどうするのか、すごく気になります。「100songs+」とかってなるのかな? 来年もよろしくお願いします!!

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