私的好盤 キャロル・キング【サラブレッド】もう一つの『つづれおり』

 【つづれおり】はポップス史上まれに見る傑作だ。俺もキャロル・キングのアルバムで一番好きなモノを選ぶとすれば、迷わず【つづれおり】を選ぶ。
 では2番目に好きなアルバムは何かというと76年作の【サラブレッド】だ。


 海の色がとても美しい浜辺を裸馬にまたがって走るキャロルのすがすがしい顔。裏ジャケットでは同じ場所で夕日をバックに馬上から海を眺めるキャロル。
 【つづれおり】からすでに五年。大ヒットアルバムを出しながらも、レコード会社との契約は必ずしも良い条件ではなかったらしい。また、音楽的にも【つづれおり】に匹敵するようなアルバムを作れないでいた。私生活でも2番目の夫チャールズ・ラーキーとの仲も冷え切っていたという。
 そんななかで、制作されたこのアルバムは、とにかく楽曲が素晴らしい。バックのサウンドもシンプルでキャロルの歌と曲の良さを最大限に際だたせることに成功している。参加メンバーは級友ジェームス・テイラー、クロスビー&ナッシュ、J.D.サウザー、ワディ・ワクテルやダニー・コーチマー、リー・スクラー、ラス・カンケルのザ・セクションの面々。
 曲作りにはかつてのパートナー、ジェリー・ゴフィンも加わっている。全体の手触りとしては、ずいぶん【つづれおり】に近い感じがする。
1曲目の『ソー・メニー・ウェイズ』。【つづれおり】の中の『ソー・ファー・アウェイ』に呼応しているかのような出だし。
『ドーター・オブ・ライト』久しぶりにジェリー・ゴフィンとの共作。この曲も【つづれおり】に納められていてもおかしくないような小品。
『ハイ・アウト・オブ・タイム』(遠い思い出)は前作に続いてゴフィンとの共作。実はこのアルバムの中で2番目に好きな曲。ピアノを弾きながら静かに歌い始めるキャロル。バック・コーラスのジェームス・テイラー、クロスビー、ナッシュに支えられて力強くたくましくなったキャロルの姿がここにある。

そしてアルバムから一足早くシングル・カットされた『オンリー・ラブ・イズ・リアル』。まずタイトルがイイ。リー・スクラーのベース、ダニー・コーチマーのギターに導かれて歌い出すこの曲はズバリ名曲『イッツ・トゥ・レイト』を彷彿させる。
しかし、単なる焼き直しではない。過去を冷静に見つめるキャロルの視線が盛り込まれた歌詞と、より都会的で洗練されたサウンドは、このアルバムの白眉である。

 キャロル自身にとっても 【つづれおり】は超えられない壁であるが、本作は【つづれおり】の姉妹作といっても良いと思う。
 部屋のなかで猫と戯れていないで、馬にまたがって海辺を疾走するキャロルにはいろいろなものを振り切ったたくましさを感じる。
 
サラブレッド(紙ジャケット仕様)
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
2007-10-31
キャロル・キング

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この記事へのコメント

まり
2010年07月18日 15:33
こんにちは ロック仙人TFさん
大阪は梅雨明けして、ギンギンに暑いですよ!

キャロル。キングは私も好きです。
「つづれおり」は何度聴いてもええなあ~
それとバンドを組んでいた時のアルバム「CITY
」が愛聴盤です。

このアルバムも良さげですね
2010年07月20日 00:56
またまたお邪魔します。いつの間にか新着コメントが私のコメントでいっぱいですね・・すいません。キャロル・キングって、自然で無垢な感じが好きです。今でいう森ガール?まあ、とにかくナチュラル。

2010年07月20日 05:49
Chickさんのようなコメントなら大歓迎デス。何度でもどうぞ

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